中高一貫校の保護者にとって、この連絡は少なからずショックです。「うちの子がそこまで落ちているとは思わなかった」「補習に呼ばれるなんて恥ずかしい」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、補習や追試の通知は、学校がお子さまの状況に気づいて手を差し伸べてくれている証拠でもあります。これ自体は前向きに受け止めてよいことです。
問題は、その先にあります。
「補習を受けたから大丈夫」「追試で合格点を取ったから安心」
——こう思ってしまうと、根本的な学力の回復にはつながりません。
この記事では、中高一貫校の補習・追試がどのような仕組みで行われているかを整理し、なぜそれだけでは成績が回復しないのか、そして保護者として何をすべきかをお伝えします。
中高一貫校の補習は、学校によって名称や実施方法は異なりますが、おおむね以下のようなパターンで行われます。
定期テスト後の補習: テストで一定の点数(赤点ライン)を下回った生徒を対象に、放課後や長期休暇中に実施されます。テスト範囲の中で特に正答率が低かった分野を中心に、追加の解説や問題演習が行われます。
通年の補習: 成績が継続的に低迷している生徒を対象に、定期的に実施される補習です。週1〜2回程度、放課後に行われることが多く、授業の復習やプリント学習が中心です。
長期休暇中の補習(夏期講習・冬期講習): 夏休みや冬休みの一部を使って、遅れている生徒を対象に集中的な指導が行われます。出席が義務づけられることが多いです。
追試は、定期テストで赤点を取った生徒に対して行われる再テストです。
多くの学校では、定期テストと同じ範囲から出題される追試を受け、一定の点数を取ることで「最低限の理解を確認した」とみなされます。
追試の問題は定期テストと同じか、やや易しい内容であることが一般的です。追試で合格点に達すれば、成績上は「赤点を免れた」扱いになります。
補習で扱うのは、直近のテストで失点した範囲に限られます。
しかし、成績が低迷している生徒の多くは、今のテスト範囲だけでなく、もっと前の段階からつまずきを抱えています。たとえば中2の定期テストで関数の問題が解けなかった生徒が、本当につまずいているのは中1の比例・反比例の段階かもしれません。
補習は目の前のテスト範囲の「穴」を塞ぐことはできますが、その穴の下に広がるより深い「地盤の問題」には手が届きません。
追試は、定期テストよりもやや易しい問題で出題されることが多く、直前に答えを覚えるだけでも合格できてしまうケースがあります。
「追試に合格した=理解した」ではなく、「追試に合格した=一時的に最低限の情報を記憶した」にすぎない場合がほとんどです。
追試合格で安心してしまうと、本当の意味での理解がないまま次の単元に進むことになり、遅かれ早かれ同じ問題が再発します。
学校の補習は、対象となる生徒全員に同じ内容を一斉に指導する形式が一般的です。
しかし、補習に参加している生徒一人ひとりのつまずきポイントは異なります。ある生徒は計算の基礎でつまずいていて、別の生徒は文章題の読み取りができていない。これを同じプリントで対応しようとしても、全員にとって効果的な指導にはなりにくいのが実情です。
成績が低迷している根本原因は、特定の単元の理解不足だけでなく、日常の学習習慣にあることが多いです。
復習の習慣がない。テスト前だけ詰め込んでいる。間違えた問題を見直していない——。こうした習慣の問題は、学校の補習で週に数回プリントを解いても改善されません。
補習が終われば元の学習習慣に戻り、次のテストでまた同じことが繰り返される。この繰り返しが「補習の常連」を生む構造です。
まず大前提として、補習や追試の通知を受けたお子さまを責めないでください。
「補習に呼ばれるなんて恥ずかしい」「みんなの前で目立つ」——お子さまがこうした心理を持っている場合、補習に対してネガティブな印象を持ち、参加しても消極的になります。
「学校が気にかけてくれているんだね」「わからないところを教えてもらえるチャンスだよ」——このように伝えることで、補習への心理的ハードルを下げてあげてください。
補習で扱った単元ができなかった原因は、多くの場合その単元よりも前にあります。
補習を受けた後に、「この単元が難しかったということは、もう少し前の内容から確認したほうがいいかもしれないね」とお子さまに伝え、教科書を少し前のページから見直してみてください。
補習で浮かび上がった弱点を「入口」として、より根本的なつまずきの特定に進むことができます。
学校の補習は、あくまで「最低限のフォロー」です。成績を本格的に回復させるためには、お子さまの個別の状況に合わせたサポートが必要です。
具体的には、以下のような支援が効果的です。
1つ目は、つまずきの起点を正確に特定すること。これは一斉形式の補習ではできず、一対一の対話の中で初めて見つかることが多いです。
2つ目は、日常の学習習慣を一緒に設計すること。何を・いつ・どれだけやるかを具体的に決め、定期的に進捗を確認するサポートがあると、習慣の定着率が格段に上がります。
3つ目は、学校の教材に合わせた指導を受けること。体系数学やNEW TREASUREなどの独自教材に精通した講師による指導であれば、学校の授業と直結した学習ができます。
学校の補習・追試は、成績低迷の生徒が完全に脱落することを防ぐためのセーフティネットです。これ自体は非常にありがたい仕組みですが、成績を回復させる「治療」としては十分ではありません。
補習を受けている=学校が対応してくれている=安心、という思考は、対策を後回しにする要因になりかねません。
武蔵野予備校FLEXでは、学校の補習でカバーしきれない「根本的なつまずきの特定」と「学習習慣の設計」を、東大生講師がマンツーマンで行います。補習の内容を補完しながら、本質的な学力の底上げを目指す指導です。
もしお子さまが補習や追試の常連になりつつあるなら、それは「補習だけでは足りない」というサインです。学校の補習をベースにしながら、もう一段深い対策を検討してみてください。
武蔵野予備校FLEXでは、現役東大生講師による無料の学習相談を実施しています。お子さまの成績状況や学校のカリキュラムをお聞きしたうえで、最適な学習プランをご提案します。