中高一貫校の保護者や生徒からよく寄せられる質問です。学校では教科書の新出単語を覚えるよう指示されますが、それとは別に市販の単語帳を使うべきなのか、使うとしたらどの単語帳がいいのか、迷っている方は多いのではないでしょうか。
この記事では、中高一貫校の英語学習における単語帳の位置づけを整理し、学年別の使い方と、東大生講師がおすすめする単語帳3冊をご紹介します。
中1〜中2の段階では、市販の単語帳を使う必要はありません。
この時期にやるべきは、教科書(NEW TREASURE、プログレス21など)の新出単語を確実に覚えることです。中高一貫校の教科書は検定教科書より語彙量が多いため、教科書の単語をきちんと覚えるだけで十分な語彙基盤が築けます。
教科書の単語すら定着していない段階で市販の単語帳に手を出すと、覚えるべき量が膨大になり、どちらも中途半端になるリスクがあります。
中3が、市販の単語帳を導入するベストなタイミングです。
この時期には教科書で基本的な英単語がひと通り登場しており、語彙の「土台」ができています。その土台の上に、単語帳で体系的に語彙を積み上げることで、高校課程の英語に備えることができます。
また、中3は英検の受験を意識し始める時期でもあります。英検準2級〜2級レベルを目指す場合、教科書の語彙だけでは不足するため、単語帳での補強が必要になります。
高1以降は、大学受験を見据えた本格的な語彙増強が必要です。受験に必要な英単語数は約4,000〜6,000語と言われており、教科書だけではカバーしきれません。
高2の終わりまでに単語帳1冊を完走することを目標にしてください。高3では長文読解や過去問演習に時間を使いたいため、単語の暗記は高2までに終わらせておくのが理想です。
レベル: 中3〜高2向け 特徴: 入試で実際に出題される「フレーズ」の形で単語を覚えられる
システム英単語の最大の特徴は、単語を単独ではなく「ミニマルフレーズ」と呼ばれる短いフレーズの中で覚える設計になっていることです。
たとえば「provide」を覚えるとき、「provide = 提供する」ではなく、「provide information(情報を提供する)」というフレーズで覚えます。この方法により、単語の意味だけでなく使い方(コロケーション)まで同時に習得できます。
中高一貫校の生徒は語彙の土台がある程度できているため、フレーズ型の暗記との相性が良いです。
東大生講師の中でも使用経験者が最も多い単語帳です。
レベル: 中3〜高2向け 特徴: 1単語1義のシンプルな構成で、とにかく覚えやすい
ターゲット1900は、1つの単語に対して最も重要な意味を1つだけ掲載するという割り切った構成が特徴です。
「覚えることが多すぎて挫折する」タイプの生徒には、このシンプルさが効きます。まず「英語→日本語の意味が1つわかる」状態を全単語について作り、その後に2番目・3番目の意味を追加していく段階的な学習が可能です。
アプリとの連携も充実しており、スマホを使った通学中の暗記に適しています。
レベル: Stock 3000は中2〜高1向け、Stock 4500は高1〜高3向け 特徴: 語源や記憶のフックとなるコメントが充実しており、「なぜこの意味になるのか」が理解できる
英単語Stockは比較的新しい単語帳ですが、中高一貫校の生徒に特におすすめできるポイントがあります。
語源(接頭辞・接尾辞・語根)の解説が充実しており、たとえば「predict(予測する)」を「pre-(前もって)+ dict(言う)= 前もって言う → 予測する」と分解して理解できます。この「なぜこの意味なのか」がわかると、初見の単語でも語源から意味を推測できるようになります。
Stock 3000は基礎レベルの語彙から収録されているため、中2〜中3で「教科書の単語は覚えたけど、もう少し語彙を増やしたい」という段階で使い始めるのに最適です。
単語帳の最大の敵は「挫折」です。1日10語ずつ完璧に覚えようとすると、1冊終えるのに半年以上かかり、途中で飽きてやめてしまうパターンが非常に多いです。
おすすめは「1日50語をざっと見て、それを7日間繰り返す」方法です。
1日目:1〜50番の単語を、英語→日本語の意味をざっと確認する(15分) 2日目:同じ1〜50番をもう一度確認する(10分)。覚えていない単語にチェック。 3〜7日目:チェックがついた単語を重点的に確認しつつ、全体をざっと見る。
7日間で1セット50語を完了したら、次の50語に進みます。同時に、前のセットを週1回だけ復習する時間を入れてください。
この方法なら、1,900語の単語帳を約9〜10ヶ月で完走できます。
単語帳学習の第1目標は「英語を見て日本語の意味がわかる」ことです。
スペルを正確に書ける必要があるのは、ライティング問題で使う基本的な単語だけです。受験レベルの語彙のすべてをスペルまで完璧に覚えようとすると、時間がいくらあっても足りません。
まず「意味がわかる」→ 次に「発音できる」→ 最後に「書ける」の順番で、段階的に習得してください。
中高一貫校の生徒は通学時間が長いことが多く、往復30分〜1時間を「単語タイム」に充てると、無理なく毎日の学習時間を確保できます。
電車の中で単語帳を開くだけでも効果がありますが、アプリ版がある単語帳(ターゲット1900など)であれば、スマホで音声を聞きながら覚えるのもおすすめです。
単語帳を始めたからといって、教科書の新出単語の暗記をやめないでください。
教科書の単語は定期テストに直結するため、こちらが最優先です。単語帳はあくまで「教科書ではカバーしきれない語彙を補う」ための補助教材として位置づけてください。
理想的な優先順位は、教科書の新出単語(毎日)→ 単語帳(通学時間や空き時間)です。
どんなに評判の良い単語帳でも、お子さまが「見にくい」「使いにくい」と感じたら続きません。書店で複数の単語帳を手に取り、レイアウトやフォントの見やすさ、持ち運びやすさを確認してください。
「あの単語帳がいいらしい」「こっちのほうが人気らしい」と複数の単語帳に手を出すのは最悪のパターンです。どの単語帳も最初の数ページだけやって放置、という結果になります。
1冊を最後まで完走することが、2冊を途中まで進めることよりも圧倒的に効果的です。
最初のページを開いて8割以上知っている単語ばかりであれば、その単語帳は簡単すぎます。逆に、8割以上知らない単語ばかりであれば、難しすぎます。
最初のページで「5割くらいは知っているけど、半分は知らない」くらいのレベルが最適です。
中高一貫校の英語において、単語帳は中3から導入し、高2までに1冊を完走するのが理想的なスケジュールです。
どの単語帳を選んでも、正しい方法で使い続ければ効果は出ます。大切なのは「どの単語帳か」よりも「1冊を最後までやりきるかどうか」です。
武蔵野予備校FLEXでは、東大生講師がお子さまの語彙レベルを確認したうえで、最適な単語帳と使い方を提案しています。単語の暗記は英語学習の土台です。この土台をしっかり作りたい方は、ぜひご相談ください。
武蔵野予備校FLEXでは、現役東大生講師による無料の学習相談を実施しています。お子さまの成績状況や学校のカリキュラムをお聞きしたうえで、最適な学習プランをご提案します。