中高一貫校のテスト範囲が広すぎるときの「捨てる技術」と「守る技術」


中高一貫校の定期テストで最も多い失敗パターンは何か。
「テスト範囲が広すぎて、全部やろうとして全部中途半端になった」——これです。

中高一貫校の定期テストの範囲は、公立中学の1.5〜2倍あることも珍しくありません。この広い範囲を、テスト前の限られた時間で均等にカバーしようとすると、すべての単元が「なんとなくわかる」状態——つまり、テストでは「なんとなくしか点が取れない」状態になります。

テスト範囲の広さに対処する最も効果的な方法は、「全部やる」ことをやめることです。「捨てる技術」と「守る技術」を使い分け、限られた時間を最も得点に直結する部分に集中投下する。これがテスト範囲が広いときの正しい戦い方です。


「全部やる」が最も非効率な理由

理由1:広く浅い学習は記憶に残らない

10単元を各30分ずつ(合計5時間)勉強するのと、5単元を各1時間ずつ(合計5時間)勉強するのでは、後者のほうが得点は高くなります。

これは記憶の仕組みに関係しています。1つのテーマに30分だけ触れても、表面的な理解にとどまり、テスト本番では「あれ、なんだったっけ」となりがちです。1時間かけて1つのテーマを複数回復習したほうが、定着率は圧倒的に高くなります。

理由2:テストの配点は均等ではない

定期テストの配点は、単元ごとに均等に配分されているわけではありません。重要な単元や授業で時間をかけた単元には、多くの配点が割り振られています。

配点の大きい単元を重点的に対策すれば、少ない勉強時間でも効率的に得点できます。配点の小さい単元に時間をかけるのは、コスパの悪い投資です。


「捨てる技術」——何を捨てるか

捨て方1:「テスト範囲の最後のほう」を戦略的に捨てる

テスト範囲の後半に位置する単元は、授業で扱った時間が短いため、テストでの配点も小さい傾向があります。

特にテスト範囲の最後の1〜2単元は、授業がギリギリまで進んで「駆け足で終わった」ケースも多く、出題されたとしても基本問題が1〜2問程度、ということがよくあります。

こうした単元は、教科書の例題だけ確認する程度にとどめ、浮いた時間を配点の大きい単元に回してください。

捨て方2:「まったく理解していない単元」は深追いしない

テスト範囲の中に「授業を聞いても完全に意味がわからなかった」単元がある場合、テスト直前にその単元をゼロから理解しようとするのは時間の無駄です。

もちろん、テスト後には立ち戻って理解する必要があります。しかし「テストで点を取る」という目的に限れば、理解不能な単元に時間を投入するよりも、「あと少しで完璧になる」単元に同じ時間を使ったほうが得点は上がります。

捨て方3:「発展問題・応用問題」を潔く捨てる

テストの配点構成を思い出してください。基本問題40〜50点、標準問題30〜40点、発展問題10〜20点が一般的です。

発展問題は、基本問題と標準問題が完璧にできている生徒が上乗せするためのものです。基本問題と標準問題に不安がある段階で発展問題の対策をする意味はありません。

テスト本番でも同じです。発展問題は後回しにし、基本問題と標準問題を確実に取ることに集中してください。


「守る技術」——何を守るか

守り方1:配点の大きい単元を最優先で固める

テストの出題傾向を把握するために、以下の情報を活用してください。

情報①:前回のテストの出題構成。 前回のテストで配点が大きかった単元は、今回も重視される可能性が高いです。

情報②:授業中の先生の発言。 「ここはテストに出すよ」「ここは重要だから」という先生のヒントは、そのまま得点に直結します。

情報③:授業時間の配分。 先生が多くの授業時間を使って説明した単元は、テストでの配点も大きい傾向があります。

これらの情報から「配点が大きそうな単元」を2〜3つ特定し、そこに勉強時間の大半を投入してください。

守り方2:基本問題を「絶対に落とさない」レベルにする

テストで確実に取るべきは基本問題です。基本問題は教科書の例題レベルであり、きちんと復習すれば全問正解できるはずです。

各単元の基本問題が解ける状態を作ることが、テスト対策の最優先事項です。基本問題で40〜50点を確保できれば、あとは標準問題を半分取るだけで平均点に届きます。

守り方3:「過去に出たパターン」を押さえる

中高一貫校の先生は、前回のテストと似たパターンの問題を出す傾向があります。

前回のテストの問題形式を確認し、「同じ形式の問題が出たとき解けるか」をチェックしてください。穴埋め、選択、記述、計算——どの形式が多いかを把握し、そのタイプの問題を重点的に練習します。


「捨てる」と「守る」のバランス——実践例

例:数学のテスト範囲が5単元ある場合

単元A(方程式):授業で2週間かけた。配点大の予想。理解度△ 単元B(関数):授業で2週間かけた。配点大の予想。理解度× 単元C(図形の基礎):授業で1週間。配点中。理解度◎ 単元D(確率):授業で1週間。配点中。理解度△ 単元E(データの整理):授業の最後に駆け足で扱った。配点小。理解度△

守る: 単元A(配点大+復習で改善可能)、単元C(配点中+すでに理解)、単元D(配点中+復習で改善可能) 捨てる: 単元B(配点大だが理解度×で短期回復困難)、単元E(配点小)

守る3単元に時間の8割を使い、捨てる2単元には残り2割(基本問題だけ確認する程度)を充てます。

この割り切りによって、A・C・Dの3単元で高得点を取り、B・Eの失点を最小限に抑える——これが限られた時間で最大の合計点を出す戦略です。


保護者へ:「全部やりなさい」は最悪の指示

テスト前にお子さまが勉強している姿を見て、「この教科もやったの?」「あの教科はどうなってるの?」と次々に指示を出すと、お子さまの戦略が崩壊します。

限られた時間で全教科・全単元を均等にやらせようとすることは、「全部中途半端になれ」と言っているのと同じです。

「どこに集中するか決めた?」と聞き、お子さまが「この3つに絞る」と答えたら、それを尊重してください。自分で決めた戦略に沿って実行することが、テストの結果だけでなく、自己管理能力の成長にもつながります。


まとめ:テスト範囲が広いときほど「選択と集中」で勝負する

テスト範囲が広いことは変えられません。しかし、限られた時間の使い方は変えられます。

捨てるべきは捨て、守るべきを守る。この判断ができる生徒は、テスト範囲がどれだけ広くても安定した成績を出せるようになります。

武蔵野予備校FLEXでは、東大生講師がテストごとに「どこを守り、どこを捨てるか」の戦略を一緒に立てます。お子さまの理解度とテストの出題傾向を踏まえた、最も効率的な対策プランを設計します。

テスト範囲の広さに圧倒されそうなときこそ、冷静に「選択と集中」をしてください。


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