「うちの子、勉強していないわけじゃないんです。机にも向かっているし、ノートも書いている。なのに、テストになると点が取れなくて……」
勉強をサボっているなら「もっとやりなさい」と言えます。しかし、それなりに勉強しているのに結果がついてこない場合、保護者もお子さま自身も、何をどう変えればいいのかわからず途方に暮れてしまいます。
実は、この「勉強しているのに点が取れない」という現象には、いくつかの明確な落とし穴が存在します。そして多くの場合、その落とし穴は本人が気づきにくい場所にあります。
この記事では、中高一貫校で勉強しているのに結果が出ない生徒に共通する「意外な落とし穴」を4つ特定し、それぞれの抜け出し方をお伝えします。
これが最も多い落とし穴です。
授業中に先生の解説を聞いて「なるほど、わかった」と思う。参考書の解説を読んで「そういうことか」と納得する。この「わかった」という感覚は、脳が情報を受け取った証拠ではありますが、テストで正解できる保証にはなりません。
テストで求められるのは、「何も見ずに、自分の力で、正しい答えを書けること」です。解説を読んで理解できることと、自力で再現できることのあいだには、想像以上に大きなギャップがあります。
料理のレシピを読んで「なるほど、こうやって作るのか」と理解するのと、実際にキッチンに立ってその料理を作れるのとは、まったく別の話です。勉強もまったく同じ構造です。
勉強の中に「白紙再現テスト」を組み込んでください。
やり方はシンプルです。教科書や問題集の解説を読んで理解したあと、解説を閉じて白紙のノートを開き、今理解した内容を自分の力で再現してみます。
数学なら解法を最初から自分で書いてみる。英語なら文法ルールを自分の言葉で説明してみる。社会なら重要事項を何も見ずに書き出してみる。
再現できなかった部分が「理解したつもりで理解できていなかった部分」です。ここを重点的に復習すれば、テストでの失点が大幅に減ります。
「3時間勉強した」と聞くと十分に思えますが、その3時間の中身が問題です。
机には向かっていたけれど、途中でスマホを触った。ぼんやり教科書を眺めていた時間がある。ノートにきれいな図を描くのに夢中になっていた。問題を解いたのは実質30分だけ——。
これは決してサボっているわけではありません。本人は「勉強している」つもりです。しかし、テストの点数に反映されるのは「集中して問題を解いた時間」だけです。
中高一貫校の生徒は学校の授業で長時間拘束されるため、帰宅後の集中力が枯渇しているケースも多いです。その状態で長時間机に向かっても、効果的な学習にはなりません。
「25分集中+5分休憩」のサイクルを試してみてください。いわゆるポモドーロ・テクニックと呼ばれる時間管理法です。
タイマーを25分にセットし、その25分間は問題演習だけに集中します。25分経ったら5分間自由に休憩し、再び25分の集中に入ります。
この方法のメリットは2つあります。1つ目は、25分という短い区切りによって集中力が維持しやすくなること。2つ目は、「今日は25分×3セット=75分勉強した」というように、実質的な集中時間を正確に把握できることです。
3時間ダラダラ机に向かうよりも、25分×4セット=100分の集中勉強のほうが、テストの点数には確実に反映されます。
これは中高一貫校特有の落とし穴です。
教科書の基本問題はきちんと解けるようになっている。それ自体は素晴らしいことです。しかし、中高一貫校の定期テストは、基本問題だけでなく応用問題や発展問題が大きな配点を占めることが多いのです。
たとえば100点満点のテストで、基本問題が40点分、応用問題が40点分、発展問題が20点分という構成の場合、基本問題を完璧にしても40点しか取れません。平均点が60点前後であれば、基本問題だけでは平均に届かないのです。
「ちゃんと勉強しているのに平均点にも達しない」という状況は、勉強のレベルとテストのレベルがずれていることで起きています。
まず、お子さまの学校のテストがどのような構成になっているかを確認してください。過去のテストの答案を見て、基本・応用・発展の配点比率を把握します。
そのうえで、普段の勉強を「基本問題だけでなく、応用問題にも手を伸ばす」ように調整します。
具体的には、教科書の例題が解けるようになったら、教科書の章末問題や問題集のB問題(応用レベル)に進むステップを加えてください。基本問題を10問解く時間があるなら、基本7問+応用3問に配分を変えるだけでも、テストの得点レンジは変わります。
真面目な生徒ほど陥りやすい落とし穴です。
テスト範囲が広い中高一貫校の定期テストでは、範囲のすべてを均等に勉強しようとすると、どの単元も中途半端な理解で終わってしまいます。
すべてを「なんとなくわかった」状態で臨んだ結果、どの問題も「あと一歩」で正解にたどり着けず、全体として低い点数になる。保護者から見ると「勉強したのに」ですが、実態は「すべてを70%だけ理解した状態」です。
テスト範囲を「完璧にする範囲」と「最低限にする範囲」に分けてください。
すべての単元を均等に勉強するのではなく、配点が大きい単元や自分が苦手な単元に集中的に時間を使い、それ以外は基本問題だけ確認する程度にとどめます。
たとえばテスト範囲が5章分ある場合、3章を「完璧にする」と決めてそこに勉強時間の8割を投入し、残り2章は基本問題だけ確認する。こうすることで、3章分は確実に得点でき、トータルの点数は「広く浅く」よりも高くなります。
完璧を目指す範囲の優先順位をつけるときは、過去のテストの配点傾向を参考にしてください。先生がテスト前に強調した内容や、授業で時間をかけて説明した内容は、出題される可能性が高いです。
4つの落とし穴に共通しているのは、勉強の「量」が不足しているのではなく、勉強の「やり方」が目的(テストで点を取ること)とずれている、という点です。
勉強時間を増やす必要はありません。今かけている時間の「使い方」を変えるだけで、結果は変わります。
ただし、自分の勉強のどこに落とし穴があるかを自力で見つけるのは、特に中学生には難しいことです。自分では「正しく勉強している」と思っているからこそ、問題に気づけないのです。
「勉強しているのに点が取れない」には、必ず具体的な原因があります。理解と再現の混同、集中時間の不足、レベルのずれ、広く浅い勉強——この4つのどれか(あるいは複数)が該当しているはずです。
武蔵野予備校FLEXでは、東大生講師がお子さまの普段の勉強のやり方を丁寧にヒアリングし、「どこに落とし穴があるか」を特定します。そして、勉強時間を増やすのではなく、同じ時間の使い方を変えることで成果を出す指導を行います。
「頑張っているのに報われない」という状態は、お子さまにとっても保護者の方にとっても辛いものです。その原因を明確にするだけでも、状況は大きく前進します。
武蔵野予備校FLEXでは、現役東大生講師による無料の学習相談を実施しています。お子さまの成績状況や学校のカリキュラムをお聞きしたうえで、最適な学習プランをご提案します。